2008/05/04

セネ食

大きなボールにもっさりと料理が盛られ、家族全員がそれを囲む。これがセネガル人の食事だ。


僕がステイ先で食べるのは、晩ご飯だけだった。時間はだいたい夜9時ぐらい。遅い時には10時を越すことも。料理を担当するのは、長男のお嫁さんのAsto。20歳のSali、14歳のNoudjeが準備を手伝う。まず、一枚の布を広げ、そのまわりに台座とフォーク、水と一つのガラスコップを用意する。料理ができると、Asto姉さんが布の上にボールを置き、Gar cua” (セレール語で夕食に来なさい。)と家族を呼びに回る。男たちは何もせず、ただ料理ができるの待つ。セネガルでは、完全に女性が家事を仕切っているのだ。



 




食事が始まるとAsto姉さんがデーン!と乳を出し、2ヶ月の子供Yacineにおっぱいをあげながら、食べる。目のやり場に困ってしまうのだけど...。しかし、特に皆気にする様子もない。赤ちゃんも一緒に皆でボールを囲み、皆で食事をする。長男のPapa Ngor に言わせると、これがセネガル人のSolidalité(団結)を象徴しているらしい。










セネガル料理は旨い。油の量は半端ではないが、毎日食べても飽きることはない。主食は米。たいてい、米にはなんらかの味つけがされている。ボールに米を盛り、その上に巨大な具を盛る。具はたいてい切られることなく、人参1本なら人参1本、そのままの大きさで出てくる。中央にはメインの魚や肉がダイナミックに盛られる。食事になると、お母さんやお姉さんが中央の魚や肉をちぎって、皆に配ってくれるのだ。

 

皆黙々と食べる。5分ほどすると、一人がプイっと席を立つ。一人また一人と席を立ち、たいていの場合、僕が最後まで一人さみしく食べることになる。あまり、食事しながら会話を楽しむという文化ではないみたいだ。人口の90%がイスラム教徒ということもあり、アルコールを飲まないというのも影響しているのか?(でも街には数々の種類のアルコールが売られている。)


そんなセネガルの食事にもマナーというものがある。

左手をつかってはならない。

便を拭く際など、左手を使うため、左手は汚れた存在なのだ。(インドでも同じだった。)フォークやスプーンを使うときも、同じように左手は使ってはいけない。左利きの人はどうするのだろう?

人の前のものを取ってはいけない。

自分の前のスペースで食事をするのが基本。欲しいものが他人の前にあれば、言って取ってもらう。

ボールに落ちたものを戻してはいけない。

魚や肉の骨はボールの下へ。

このためにボールの下に布をしいているんだね。

におう

ダメみたい。

手をなめる


お腹がいっぱいになったら席を立つ。立とうとすると、Naami Naami”(食べて、食べて)と皆が言ってくれる。それが礼儀であるらしい。それに対し、Ginaam, a feela”(お腹いっぱいだよ。おいしかったよ)というのが一種の決まり文句である。


しかし、美味な料理を大きなボールで食べていると、どうしても自分がどれだけ食べたかわからずに、本当にお腹いっぱいになるまで食べてしまうのだ。


食べ終わると、手で食べた人は手を洗い、そして最後に用意しておいた水を飲む。食事中に水を飲むことはない。現代ではペットボトルやコップがあるが、昔は1つの大きな桶に水をいれていたらしい。食事中に飲むと、油や他の食べ物のカスが水の中に入ってしまう。だから、食後に水を飲む習慣が残っているらしい。


アフリカで華やかな食文化をもつセネガルの食事である。

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