カール

イッシャアラーとは『神の意志あらば』という意味である。

セネガル人は未来のことを語る時、よくこの言葉を使う。

『今度フィムラ（僕の任地）に遊びにいくよ。イッシャアラー。』

『５年後にはヨーロッパに行って働くんだ。イッシャアラー。』

こんな風に。

その言葉を象徴するような乗り物、イッシャアラー的公共交通手段、人はそれをカールと呼ぶ。

料金は安く市民の足となっているが、この乗り物、乗客がいっぱいにならないと出発しない。

小さなスペースに３０人ほど集まるまで待つ。garageと呼ばれる停留所で、運転手の見習いが客を集める。時には２時間３時間とひたすらに待つ。小さな村に行くときはたいていカールしか交通手段がないので、いつ目的地に着くかは『神のみぞ知る』である。イッシャアラー。