内海から吹くそよ風が村の木々を優しくざわざわと揺らしている。
色鮮やかな鳥達はマンゴーの木に止まりピヨピヨと歌っている。
村人達は風と鳥が奏でるハーモニーを聞きながら木陰でアタイヤをしている。
人口約2500人。穏やかなセレール族が暮らす我が任地フィムラ村
こんなJam rek (平穏だけ)な村に、ある日突然Jamが消えた...。
それは2月も中旬、冬の終わりを告げるような、本当に暑い日だった。
「いやぁ、今日はほんとに暑いっすね~。」とN隊員が我が家を出るなり口にした。
帰国も間近になったN隊員は、ここぞとばかりに働き始め、その日も我が家に活動用の書類をプリントアウトしにきていたのだ。
そこでちょうど昼時になったために我々はガラージュでランチをしようと家をでた。
「ナフィオ?」と学校帰りの女の子が話しかけてくる。
「メヘメン」と決まった挨拶をして違う道に分かれ、我々はガラージュへの道を歩いていく。
すると、我々に向かってなにやらファイィングポーズをとったセネ人男性が前方に立っている。
東洋人と見るや空手やらカンフーができると思い、向かってくる子供達はたくさんいる。
しかし、なにかがおかしい。そいつは明らかに大人だ。
それだけではない。なにかが明らかにおかしいのだ。
N隊員はその違和感にきづかず、歩調を緩めるそぶりをみせない。
そこで僕はきづく。
そいつは真っ裸なのだ。足が3本ついてある。
「あの人裸じゃない?」と僕が立ち止まる。
そこでようやく、N隊員もその異変に気づく。
我々が立ち止まると、そいつは我々の方に向かってくるではないか。
「うぎゃ~~~~!!」
我々は違う道に走り始める。先ほど挨拶した女の子達に追いつく。
後ろを振り返ると、まだやつは我々を追ってきている。
「ぎゃ~~~~~!!」
一緒に女子達もサンダルを脱いで逃げだす。
30Mほど逃げると、やつもあきらめたようだ。
「あいつはだれなの?」と女の子達にきく。
「あいつはdof(クレイジー)よ。」と女子達は一言。
レストランに着いたあとも我々はその衝撃をうまく処理できないまま、黙々と食べた。
「あれは一体なんだったのだろうか?」
その答えは見つからないまま、ランチのマフェ(セネガル料理の一つ)の量だけがどんどんと減っていった。
「今日は僕が払っときます。」と不意にN隊員が言った。
「なぜに?」
「いやぁ、今日はへんなもの見れましたから。」
「..........。そうか。では有り難く。」
と言ってみたはものの、この感謝の気持ちをどこに向ければいいのか、まったく分からなかった。
「しかしショックだな~、このフィムラであんなやつがでてくるなんて。」とN隊員。
確かに。jam rekなフィムラはどこへやら。
帰ってきておくれ、jam rekなフィムラよ。
僕はあなたをまちづつけているよ。
3 件のコメント:
暖かくなってくるとセネガルにもでるんやな、変質者。
しかし成人男性に向かってくるとは、相当やなー
Nさんのオゴリはラッキーやけど、意味不明やね
こんにちわ、キョウスケ。この前は突然追いかけてしまってゴメンネー。シムラに来てテンション上がっちゃったダケナノヨーアイ~ンアイ~ン♪
導入、インドラメイン私パレンバン、インドネシア国から来た。
あなたと私は非常に満足している。
あなたのブログとても良いです。
私たちは友達になることを期待
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