昼休みも終わりに近づく時間になると、どこからともなくこの文句が聞こえてくる。日本の竿屋さんの文句に聞こえなくもない。
カルティエ一帯を全てカバーできてしまうような、よく通る声である。
声の正体はBAY FALLと呼ばれるセネガル最大規模のイスラム教宗派ムーリッド教団の戦士である。彼はカルティエ一帯をボールを持って回り、人々からお金や食料を集めているのだ。イスラムの影響を強く受けたセネガル社会において、施しは日常的な行為。教団に施しをすることは人々にとって美徳であり、自己の表現である。
集められたお金はムーリッドの本山トゥーバに送られ、布教活動から作物栽培、投資にまでまわされている。ムーリッド宗派は現在では海を越えアメリカやアジアにまで進出している。
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