「人間の最大の武器はなんだか知ってるか?...習慣と信頼だよ。」
『ゴールデンスランバー』伊坂甲太郎
いつものように活動村ダンガンサンブから帰る道のり。
「今日も暑い。campementでビールでも飲んで帰るか?」
こんなことを考えながらとぼとぼと歩いていた。
道側には雨期になって長くのびた雑草が生えていた。
雑草には、さも当然のようにゴミが絡まっていた。
ん???
当然のように?
ここで一つのことに気づいた。
僕はこの状況に慣れつつある、ということに。
セネガル人はきれい好きな人が多い。
砂の国セネガルでは常に砂が家に入り込むが、それを毎日のように女性が掃除する。
にもかかわらず、家の外を一歩であるとゴミだらけ。
みんな平気でポイポイと空き缶やビニール袋をすてる。
「ゴミ箱はないのか?」と僕が尋ねると、「ここに捨てればいい。ここはセネガルだ。問題ない」という返事が返ってくる。
雨期になると、ゴミダメの中でマラリアを媒介する蚊が発生する。
援助機関はこれを問題視し、ゴミに対する啓発活動を行っているが、なかなか住民の意識は変わるものではない。
セネガル滞在4ヶ月でこの状況に慣れつつある僕。
ここで生まれたセネガル人はゴミに対し何の疑問も持たないまま成長し大人になる。
人々の意識は習慣によって石のように固くなる。
それが習慣という武器の怖さだ。
ではセネガルのゴミは解決されないの?
いや、解決する。
そして、それを解決するのは子供た
ちだ。
子供の意識は夏の日の冷や奴のように新鮮で柔らかい。
彼らにゴミを捨てるのではなく拾うことを教えよう。
きれいに掃除された村にし、それを習慣化していこう。
必要なのは新しい習慣だ。
新しい武器をもってゴミに立ち向かうのだ。
長い時間は必要だろう。
でも30年後必ず美しいセネガルがあるはずだ。
1 件のコメント:
ゴールデンスランバーのそのセリフ、憶えとる、残るなぁ。
子供は希望やね、がんばれ。
コメントを投稿