2008/06/28

ダンガンサンブ


フィムラ村から県道をまっすぐに進むと、海に突き当たる。

海沿いでは白人が経営するホテルやレストランが立ち並ぶ。

海を挟んで向かいには、小さな島(Mar lodge)があり、そこにも白人経営のロッジが立ち並ぶ。

この一帯はNdangane Campementと呼ばれ、12月ごろになると多くのヨローッパ人が避寒に訪れる。

観光地なだけあって、モノは他の村と比べるとおおい。

アルコールや冷凍の肉、パスタなどセネガルの普通の村では置いてないようなモノがそろっている。

ホテルを横目に、海沿いを行く。

海風が心地よく吹く。

遠くの方で、浅瀬に生えるマングローブが見える。

Campementからタクシーに5分ほど揺られると村が見える。

僕の活動村ダンガンサンブだ。


ダンガンサンブは内海に面する、人口1300人ほどの村。

セレール族が多く、穏やかな人が多い。村の中央には白いモスクがあり、その側では、コーランとフランス語を教える私立の学校がある。奥に進むと、公立の小学校もある。ちなみに、セレール族は勉強好きな民族と言われている。Jang(勉強する)という単語はウォルフ語でも同じ単語を使うが、元々はセレール語であるらしい。

海沿いには、ピローグと呼ばれる派手なボートが並ぶ。男達は魚やエビ、貝を獲って生活する。漁師の村である。魚はセネガル人にとって、貴重なタンパク源であり、伝統料理チェブジェンにも欠かせない。水揚げされた魚はダカールやファティックなどの都市に運ばれる。時々日本では見られないような大きな魚が水揚げされる。


毎年、年が明ける頃、隣国のギニア人やブルキナ人が住み込みを始める。セネガルでとれる魚を薫製にして、自国のマーケットに売るのだ。薫製はケチャと呼ばれる、日本でいうイワシのような種類の魚である。魚のあまりとれない雨期に入った現在、ギニア人はほとんど見かけない。


ブルキナファソは内陸国であり、ケチャの需要は多いにある。

ギニアは海沿いの国で魚とれるが、ケチャのような小さい魚は国内でとれないらしく、需要があるようだ。


そのような出稼ぎの外国人は豊富な資金力を背景に水揚げされた魚を大量に買いあさり、セネガルの(つまりダンガン村)の女性や子供達を雇って加工し、自国へと売りさばく。要するにセネガルの魚を外国に売るのに、セネガル住民が食い物にされていたというわけだ。


そこでつくられたのが、ダンガン女性グループである。多くの援助機関の助けを借りながら、彼女達は共同貯蓄をし、魚を買い取り、加工した魚を外国人に売って現金収入を得ている。


「加工を生業とする女性グループの仕事環境の改善」というのが、配属先の要請である。

仕事環境の改善?なんのこっちゃ?というのが正直な感想であるが、とにかくこの村を豊かにするのが僕のミッションである。


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